第九話
夢小説設定
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上からくぐもった音が響き、視線を上向ける。
「――かかったな。」
捲簾の言葉に、隣を歩く先生が背後を振り向いた。
二人の読み通り突入は夜明け、仕掛けた罠にもかかったようだ。
『上は大騒ぎですね。』
「ええ、今なら外部は多少手薄の筈です。」
カツカツと靴音を響かせながら悟空の手を引く金蟬が、その速度を少しだけ緩める。
「――よかったのか?あの部屋にあったのはお前の大事な本やコレクションだろう。」
――この間ね、本を貸したんです。
何の本を貸したのかと問うと秘密だと言って、いくら聞いても教えてくれなかった。
「構いませんよこの際、所詮はただの虚像ですから。」
そう言って小さく笑った横顔を見て、視線を戻す。
「形ある者いつかは壊れる――とこれもまた下界の有名な格言ですけどね。」
その運命を背負って尚
背負ってこそ、在るのだと
「……大丈夫だ、そんな顔すんな。」
くしゃりと頭を撫でられた悟空に、目を細める。
そっと背に触れた手に見上げれば、同じように自分を見る先生と目が合った。
「本当は、もっと早く連れてきてあげたかったんですけど。」
『?』
大きな手が、髪に触れる。
多分今の私は貴方と同じ顔を、してる?
顔じゅうで笑う悟空に、手を伸ばした