第九話
夢小説設定
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「さっきみたいなのはじゃあ、お前しかできないのか?」
『ええ…というか、私にはあれしか出来ないんです。』
緋炎を検めていた焔珠が、頷いて顔を上げる。
『崑崙の女仙が皆、癒し手として優れた能力を持っているのは御存じですか?』
「ああそーいや、そーだっけ。」
『母や姉たちは患部に触れるだけで大抵の怪我は治せます。私だけは何故かそれが出来なくて…伯父上の方の血を色濃く継いでいるからだろうと母は。』
「目の色も明王に似てるよな?」
『伯父上にお会いになった事がおありですか?』
「いや会ったっつーか、遠目にいっぺん見たことあるだけ…大昔にな。」
嬉しそうに瞳を輝かせた焔珠に笑って首を振り、黙り込んで何やら考え事をしている風な天蓬に目をやる。
「つまり、アレですね。」
ややあって顔を上げたかと思えば。
「風邪ひいた時は貴女に治してもらえばいいわけですよね、僕は。」
顔どころか首まで赤くした焔珠を見やり、顔を寄せる。
「てめぇ…調子にのってどこまで手ぇ出してんだこの野郎。」
「言えるわけないじゃないですか、そんな事。」
しれっと返され、さすがにこめかみが引き攣る。
「おま――」
目元を擦りながら歩いてきた悟空に、焔珠が膝をつく。
『寝ていなくて大丈夫?』
「焔」
きゅっとその袖を掴んだ悟空の大きな瞳が、こちらに向けられる。
「どーした、悟空。」