第七話
夢小説設定
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今居る西南棟に籠って一夜――この棟を包囲しているであろう天界軍兵士は西方軍だけだとしても二千人余。
「…いやあ、僕らまるっきりテロリストですねぇ。」
「だなー」
「笑い事ではないわ!!」
迂闊にも大声を出してしまい、視線を落とす。
「…これからどうするつもりだ?」
「…まぁ、何とかなるんじゃないですか?」
銜えた煙草から、紫煙が昇る。
『では』
仄かな笑みを口元に刻んで膝を伸ばした焔姫が、長い髪を結わき直す。
『まずは悟空をどうにか致しましょう。』
「どうにか、って…」
「できんの?」
『恐らく熱は取ってあげられると思います。』
目を見合わせた天蓬と捲簾に、金蟬童子だけがほっとしたような表情を浮かべてソファから身を引いた。
『とは言っても、貴方が熱を出した時以来やったことがないの。』
そう言って小さく笑い、自身の黒髪を押さえ屈みこむ。
細い呼気をもらす斉天大聖の口に、桜色の唇が重なった瞬間。
波のように伝わってきた熱が、室内の空気を一度だけ、揺らした。
彼女の身体を包んでいた燐光が、逆巻いた髪が元に戻るのと時を同じくして収束していく。
「焔…」
頼りなげな声で呼びかけた金蟬童子に向けられた幼子の様な笑みに、顔を俯ける。
得体の知れないこの鈍い痛みの正体を、認めてしまったなら。
無意味な仮定に、唇を噛んだ。
続