第壱話
夢小説設定
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「――何が口説き文句だ!?面倒事を全部押しつけやがって!」
力任せに扉を開くと、目の前を通り過ぎようとしていた下男がぎょっとして身を引いた。
「どこに行きやがった!?あのクソチビ猿!!」
「こ…金蟬様、今度は何が?」
「重要書類を折り紙にしやがったんだよ!!」
机の上に転がっていた紙飛行機の群れを思い出し、さらに苛立ちが増す。
「お前も捜せ!今日こそはただじゃおかねえ、ブッ殺す!」
『まぁまぁ、何事です?』
突然割って入ってきた声に振り返り、目を見開く。
「え「焔珠様!?」
そっと撫でるような笑みを向けられて赤くなった下男の顔が、こちらを見た瞬間今度は青に変わる。
「もっ申し訳ございません!でっでは私は、あの子どもを捜しに…失礼致します!!」
泡を食ったように駆けだしていった下男の背中を見送っていた女に手を伸ばそうとして止め、とりあえず、その名を呼ぶ。
「焔」
『はい?』
振り返った顔に浮かんだ表情に、ここのところ密かに気にしていたことが全く見当違いだったことを悟る。
「いや……何でもない。」
『どなたかお捜しなの?私もお手伝いします。』
どう言えば良いのか迷い、「猿だ。」と告げると形の良い眉が顰められる。
『猿?』
「ああ、一匹。」
『そんなの、飼っていた?』
「………最近な。」