第6話 Misty
夢小説設定
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「……すみません。」
ややあってもう一度謝罪を口にした八戒さんが、視線を両手で抱え持ったカップに落とす。
「昔、同じ様な事を…言ってくれた人がいて。」
苦笑というにも力のない淡い笑みが、らしいと感じるにはまだ早すぎるだろうか。
多分
「頂きますね、コレ」とカップに口をつける横顔に浮かぶ疑問も問えばきっと、答えてくれるのだろうけれど。
『……どうぞ。』
雨露を凌いでいる縦穴の入り口に姿を見せた人物に、目を向ける。
「三蔵…」
何度目になるか分からない謝罪を聞きながら向かいに腰掛けた三蔵が、手にしていた新聞を広げながら口を開く。
「霧がひどい。なんにせよ今は進めんさ。」
「悟浄は?」
「残念ながら御健在だ。今は野暮用で出てるがな。…他人の事より自分の心配をしたらどうだ。あの変態易者に覚えは?」
「いいえ。…でも向こうは僕の過去を知っていてそして、僕を憎んでる。」
「百眼魔王の一族に生存者がいたという噂もあながち嘘ではなかったって事か。」
「……」
組んだ手に額を預けていた八戒さんが少しの沈黙を挟んで、まるで観念したようにその面を上げる。
「一人残らず殺したと思ってました。」
「ツメが甘いんだよ。」
「坊主の台詞かぁ?それ。」