第4話 Overlap each other
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「ゴホ…」
振り返るのと同時に、その長身が崩れるように膝を着くのが見えた。
「八戒!!?」
「がはッ―ごっ」
『八戒さん!?』
激しく上下する背に掌をあてると、荒い呼吸が伝う。
「大丈…夫」
汗を浮かべながら口元を押さえるその隙間から、胃液が地面を叩く。
「――何でもありませんっ……はぁ ッは…」
その近くに落ちている土くれの中に見え隠れする黒白の匂玉の先、力ない指先が必死で握ろうとしているモノに目を細める。
麻雀牌――
罪人の目を――
爬虫類のようなその細く縦に切れた瞳孔が隠そうともしない、執着。
清一色…。
「すみませ…… 春炯…」
『…お水です。飲んで下さい、八戒さん。』
差し出した水を受け取るのを見ながら知らず、眉根を寄せる。
しているじゃないですか
彼は一体――
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