第4話 Overlap each other
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目を瞬いた紅孩児がややあって、唇を緩める。
「またな、春炯。」
『ええ、また。』と混じり気のない笑みを浮かべて軽く頭を下げるのを横目に、さして気負うことなく独角兕を見やる。
「次は土産くらい持ってこいよなぁ?」
「そっちこそ茶ァぐらい出せや。」
「お怪我の方、お大事に。」
「はい」と微笑んだ八百鼡の「皆さんも、お元気で」という言葉を最後に、その姿が緩く渦巻く風に消えた。
『行っちゃいましたね…。』
「お元気で――って言われちゃったよ。」
思わず声に出して笑い、煙草に火を点ける。
「やりづらい敵だぜまったく。」
「おそらく奴らでさえも、誰かの駒のひとつだろうな。牛魔王の蘇生を目論見、この世界に混沌を呼んだどっかのバカは紅孩児の背後にいる。俺達が倒すべき真の敵だ。」
三蔵の言に長い睫毛を伏せた春炯の背に手を触れさせると、大きな瞳が弾かれたようにこちらを見上げた。
『――…』
軽く笑いかけながら、三蔵を向く。
「…とにかくこの町を出た方がいいな。」
「ああ。」
「――ッがっ、かはッ!」