第4話 Overlap each other
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「…アタシね、他力本願って大嫌いなの。」
狭苦しい調整室の中にわざわざ運ばせた椅子の上で足を組み変える。
「己が非力さの自覚もなく欲求ばかり過剰な奴見てると、滑稽を通り越してムカつくのよね。」
「…お言葉ですが玉面公主様。」
ダサい兎のアップリケの付いたスリッパを引っ掛けた男が、銜えていた煙草を口から離す。
「貴女の様に自分の為なら世界さえ侵せる人などそうはいませんよ。」
「あら、それ誉めてくれてるの?」
「勿論。」
「チェック終わりました。異常ありません。」
戯れの言葉遊びを断ち切るように告げられた堅物な声音に、「そう」と口にしながら首を回す。
「そういえば、李厘は見つかったのかしら?」
「――ほお。さすがの玉面様も御自分の御子は心配ですかな?」
私の…娘……そう。
「やあね、決まってるじゃない。」
上向けた先に在る巨大なシルエットに、目を眇める。
「牛魔王の蘇生には、どうしてもあの娘が必要なんだもの。――そうよ。」
愛しい人
「私は欲しいものは自力で手に入れてみせる。」
貴方を。
貴方の、全てを。