第3話 Drop a bomb
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「こんなところに置いて行きやがって…」
くぅんと鳴いてこちらを見上げた飛竜は、ろくに繋がれてもいない。
よく訓練されているので逃げてしまう心配は要らないが、誰かそれこそ人間にでも見つかったらどうするつもりなのか…
「この近くにいらっしゃるとは思うんですが…三蔵一行の足取りを追った方が早いかもしれませんね。」
「まったく…!!人騒がせな奴だ。」
「とかなんとか言っちゃって、本当は心配なんだろォ、お兄ちゃん♥」
「――やかましい!!」
照れ臭さ半分、腹立ち半分で大きな出した大きな声に、木立で羽根を休めていた鳥達が逃げていく。
「兄貴風吹かせやがって、お前に何が分かる!!」
「…わかるつもりだぜぇ?」
「ちったぁな。」
男臭い精悍な面構えの中で、そこだけ優しげな印象を放つ瞳が微かに細められて、空を行く羽ばたきを眺めやる。
「俺の親父も愛人かこってよォ、弟もいたぜ…腹違いってヤツ。小生意気なガキだったっけど、俺にとっちゃあ可愛い弟ってなモンよ。……ま、俺は結局、苦しんでる自分の母親すら救ってやれなかったけどな…」
「お前見てっと思い出すのよ」と続けられるのに、目を伏せた。
思い出すその誰かに
「…悪い。言い過ぎた。」
もしかしたら、その、誰かがお前にくれたモノを
くれるかもしれなかったモノを――その、何かを。
果たして、俺は。