第37話 blind faith
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「何?おサルちゃん反抗期?」
「あれ、人の事言えるんですか悟浄―?」
言って、横目に見上げた先に浮かぶ表情を掴む前に、何事かが降ってくる。
「…え?」
「さーて食ったら寝るべ、行くぞ悟空!!」
「何でてめーと同じ部屋なんだよッ」
すたすたと部屋を出ていく悟浄の背中を、悪態を吐きながらも悟空が追っていく。
それを見送っていると、カタンと小さな音がして春炯が立ち上がっていた。
てきぱきと机の上を片していくのを手伝うべく、腰を上げる。
『明日の朝ここを出発したら、夜早くにはまた次の町に入れるね。』
「…ええ。何か買い物とかありますか?もしあるようなら、お昼前に出てもいい時間には着けると思いますけど。」
『ううん、大丈夫。確認したかっただけ。さて、と、じゃあ私も寝るね。お言葉に甘えて一人部屋使わせてもらいまーす。…おやすみー。』
「はい、おやすみなさい。」
すでに船を漕いでいる三蔵に苦笑を残して、扉が閉まる。
「…三蔵、ちゃんとベッドで寝て下さい。」
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コンコン
礼儀としてノックをしつつも、返答を待たずにドアノブを捻る。
「…悟浄、悟空。もうすぐ出発しますよ、そろそろ起きて…」
大口を開けて眠る悟空の隣のベッドを見て、ざわりとした感覚が掌を覆う。
「――っ」
――ううん
「春炯、起きてます?」
ノックの音に被せる様にして問い、隣り合う部屋のドアを開く。
「………」
使った形跡のないシーツにかかる日差しが、眩しい。
確認したかっただけ
室内に入り、一片の白い紙が文机に置いてあるのを認めて手を伸ばす。
流麗ながらも女性が書いたにしてはどこかさっぱりとした筆跡で書かれていたのは、[先に行って下さい]という、取りつく島のない一文のみ。
思わず握りしめた拳の中で、紙片がくしゃりと、音をたてた。
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