第37話 blind faith
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ギシッ、と鳴ったのは銀鎖か骨か、それとも、嚙み潰した煙草か。
「……ッそォ…!!」
両足で踏ん張って尚、持っていかれそうになるのに、舌打つ。
「はッ はぁ!!落ちろ――落ちろォォ!!」
完全に常軌を逸した大声に、「てめェが落ちろ」と応える低い声がした、瞬間。
銃声が下から響き、今際の声に何かの弾ける音が被さる。
「おあッ!!?」
急に軽くなった手応えに頭から地面に突っ込みそうになり、鎖にすがりつくようにすると「しっかり支えてろこの役立たず!!」と怒声が飛んだ。
「てめぇが暴れっからだろーが落とすぞこのクソ坊主!!!」
流れてくる汗が、眼に染みる。
「~!!」
奥歯を噛み合わせながら数分、必死に鎖を手繰り続ける。
銀色の先にやっと、金糸が見えても悪態を吐く余裕は、なかった。
崖の端に手をかけた三蔵の髪先から、ポタリと雫が落ちるのを目にした瞬間、集中が切れて掌中から錫杖の感触が消えた。
「…はぁ はぁ ぜえ ぜえッ――は……」
「――は」
「…も サイッアク…」
「…そりゃこっちの 台詞だ。」
暫く二人してぜえぜえ言っていると、その内に夜風が喉元を段々と通るようになってきて。
「…おめぇ見かけによらず重てーよ。」
地面に横たわっているせいで土臭いが、喋る気力が失せる程ではない。
「余計なお世話だ。助けろなんて言った憶えはねぇ。」
「オレだって好きで助けたつもりはねーっつの。」
「…じゃあ何だ」
「落ちてるモン見ると拾いたくなんだろーが」
「貧乏性が」と心底バカにしたような声を聞きながら、煙草を咥える。
「ほっとけ。」
なんとはなしに見上げていた顔に、影が落ちる。
「――あ?」