第36話 Wish
夢小説設定
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「ま、とりあえずあの山まで行ってみるっきゃねえって事だな。」
月の明るい、澄んだ夜だ。
「アイツ等どーするワケ?」
「どうもこうもジープが使えんからな。貴様が担いでいくなら構わんが。」
「…あ―あ。何でこんな奴と2人で行動しなきゃなんねーんだろ。」
「安心しろ。」
向かう山を前方に捉え、歩き出す。
「俺の邪魔になるようなら、速攻で殺してやる。」
「…そいつは頼もしいこって……」
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「クククク、悪ガキ2人が暴れてやがる。」
言って双眼鏡で覗き込んだ水面が、大きくなるワケもなく。
「…何やってらっしゃるんですか菩薩…」
「気分だよ気分。」
笑って足を組み替えると、忠実な臣下が息を吐いた。
「面白がってる場合じゃございません。」
思慮深げな眼差しが、淡い紅色の影に揺らめくその背を見やる。
「あの者達には重大な任務があるというのに、いつもいつも寄り道ばかりで…」
そう言えば
「寄り道だって無駄じゃあないさ。」
アイツはここに来た事はなかったな。
だからだろうか
観音様――
たおやかに微笑むその姿よりも、風を連れた軽やかな気配を近く感じるのは。
「先はまだまだ…」
昏々と眠るその顔に、目を細める。
「長いんだからよ。」