第36話 Wish
夢小説設定
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肩を抱こうとする手を払って外へ出ると、ちぎれ雲の浮かぶ青空が目に眩しい。
宿は大通りに面していて、行き交う人々も様々賑わいを見せている。
『――悟じょ』
振り向きざまに通行人の荷物にぶつかりそうになって身を捻ると、大きな掌が背に触れた。
「けっこー人多いな。」
頭ふたつ高い位置で呟いた悟浄を見上げ、特にやましい気持ちはないらしいのを見てとってメモに目を落とす。
『この時間だしね。先に地図を見て、日用品はその後にしようかな。』
「お前、欲しい物あるって言ってたじゃん。」
『それは後でも平気。全部終わって、悟浄が一服してる間にでも行ってくるから。』
「そ。」
身を屈めていた悟浄が背を伸ばし、自然と位置を入れ替えられる。
『…ありがとう。』
「イーエ。」
八戒が優しいのとは別に、悟浄といるのはなんというか、とても快適だ。
女性の扱いというものを心得過ぎる程心得ていて、物理的にも心理的にも絶妙な距離感を保ったままのその状態にともすれば、浸りきってしまう程に。
そして、いつの間にか適切に開いていたはずのそれがなくなっている事に気がついた時には多分もう、手遅れなのだろう。
「…何?」
『…イエ、何でもありません。』
「……何だよ。」
と、するりと絡めとられそうになった手首を返して逆に捕まえる。
『やめて!』
「…ホント固いよなお前。いいじゃんちょっと手ェ繋ぐくらい。」
『必要ないでしょう。子どもでもあるまいし。』
「必要ないコトないだろ。男女なら?」
拒否する間もなく抱き寄せられると、往来からひやかしが飛んだ。
『…そういう関係性じゃない場合には、必要ないと思うけど。』
「そういう関係性になりたいんだけど、お前と。」
至近から向けられた甘やかな眼差しが、瞬間子どものように破顔する。
「顔真っカ