第36話 Wish
夢小説設定
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「…ジープの具合が悪い?」
「ええ、そうなんです。熱もひどくて」
「風邪かなあ?」
苦しそうに、重たく熱を持った呼吸を繰り返している小さな身体に、目を落とす。
「ここ連日、走行しっぱなしでしたから疲れも溜まってたんでしょうけど…」
「少し休ませてやんねェとなー」
「そうですね。無理をさせる訳にもいかないですし…そういう訳なので三蔵、この町に二日三日滞在してもいいですか?」
「――ああ。徒歩で行くったってタカが知れてるんだ。この際仕方ねェだろ。」
言って再び新聞の陰に隠れたその姿に、八戒がほっと息を吐く。
「良かった。それじゃあ早速ですが悟浄、お願いします♡」
にこやかに差し出された紙片を見つめ、口を開く。
「…何コレ。」
「買い出しメモに決まってるじゃないですか。僕はジープについてなきゃならないんで。」
「――オイ猿、一緒に…「悟空連れてっちゃダメですよ。二人してすぐ余計なもの買ってきちゃうんですから。」
「………」
咥えタバコのままなんとなく視線をやると無感動にこちらを見返した三蔵が、鷹揚にポケットを探る。
「マルボロ赤。…ソフトでな。」
「…このクソ坊主…」
ぞんざいな口調と、こちらを見もしないその態度に思わず毒づいた時、『買い出し?』と明るい声がドア外からかかる。
『私も一緒に行っていい?』
「あ、春炯も何かあります?」
『うんちょっと、欲しい物があって。悟浄そのメモ貸して。』
「じゃあ、新しい地図も見てきてもらうコト出来ます?良さそうなものがあったら買ってきてもらって…」
『分かった。』
『行こう、悟浄』と笑いかけ、きびきびと室内を出ていくのをさして慌てるコトもなく歩き出す。
「なァ」
平均からすると背の高い方だと思うが、それでもコンパスの違いは歴然で、宿の玄関にたどり着くより前に追いついた。
「そんな急がなくてもいーだろ。せっかくデートなんだし。」
『はいはいそうね、行きましょう。』