第35話 華焔の残夢4
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「さて、ようやく出発できますね。」
数日ぶりに全員で乗り込んだジープに、エンジンがかかる。
『…良かったの?』
「うん。俺、嘘つけないし。」
問いかけた春炯に、悟空がにこりと笑って返すのをミラー越しに見やる。
「何が嘘吐けない、だ。単純だからついてもすぐバレるだけだろうが。」
「誰が単純だよっ」
「なーる」
「納得すンなよなっ、悟浄!!」
キン、と澄んだ音が響き渡り、周囲の景色がまるで、撫でられるように一瞬そよぐ。
『結界、解いてくれたみたいね。』
「……行きますか。」
否やがあるはずもなく、八戒がアクセルに足をかけた。
「しっかしよォ、西に行くってのに東に向かって走るってすっげーマヌケだよなァ。」
「もうじき迂回路に出ますから、それまでですよ。」
風になびく黒髪をそのままに苦笑した八戒が、「あもう見えてきましたね」と指さした方には、大きな橋がある。
日数がかかると、最初に却下した道だ。
納得して決定した進路ではあるが、橋に続いて真っすぐに北に伸びている道は相当に長く、果たして本当にこれが西に向かう道と合流するのか甚だ不安になってくる。
「ああ、そうだ悟空。莉炯さんから伝言です。」
「え、なんて?」
『頑張って、耶昂を悟浄みたいな人に育てるって。』
「えぇ~!なにそれぜってーヤバいじゃん。何で止めなかったの?」
「俺は一応忠告した。」
『私もしたわ。』
「それでもダメだったの?なんで?寄りによって悟浄だろ?」
「お前…人が黙って聞いてりゃ好き放題いいやがって。人徳だよ、人徳。」
鷹揚に悟空の頭を叩きながら、悟浄が余裕気に咥え煙草でふんぞり返る。
「…全然納得いかねェー。」
『ねぇー。心配よねぇー。』
「まァでも本人の自由ですからねぇー…教育方針ていうのは……」
「…お前ら全員覚悟はあンだろーな?」
「フン。人徳じゃねェのだけは確かなようだな。」
「覚悟はあンだろーな?」
Next page あとがき