第35話 華焔の残夢4
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昨晩三蔵に語った、さして考える事もなく適当に並べただけの悟空の幸福。
…なんだかなァ。
先程八戒に呼びかけられた時に、掴み損ねた答え。
今はしっかりこの手の中にあるそれをよくよく、見てみれば。
アイツと同レベルって…
不幸ではない、なんてそんな言葉では足りない程度には、多分。
その事実に、小さく息を吐く。
「………悪くはねェ、かな…」
「育てた人を、恨んだことはありますか?」
「いや」
即答できる自分に、苦笑する。
どうして
――アンタさえ、いなければ
「オレは振られっぱなしだったけどな。」
アンタさえ――
どうしても。
どんなに酷くあたられても
殺されそうに、なってすら。
どうしても嫌いには、なれなかった。
「――私、決めました。」