第34話 華焔の残夢3
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「……どうしたよ?悟空の声でも聞こえたか?」
不自然に動きを止めた三蔵を、肩越しに眺めやる。
「…うるせーよ。」
ややあって零れた言葉は、自分に対してのそれではない。
「………」
何を捉えるでもなく宙に浮いていた視線が、ふと閉じられる。
そのまま横になるのに、知らず口の端が上がった。
「呼び続けんじゃねェの?」
「迎えにいくまで」と付け加えながら、首を回して丁度よいところを探る。
「だから言ったろ、動物は祟るのよ。」
無言の後に吐き出された微かな溜息は、明らかな諦めを含んでいて。
「…行くんだろ?」
窓枠が、小さく音をたてて軋む。
風が出てきた。
「明日」
流される雲が月を遮ったのか、薄闇が室内を浸していく。
再びの眠りに誘うその色に目を、閉じる。
「………ああ。」