第34話 華焔の残夢3
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短くなった煙草の残り火を、空き缶の蓋に押しつけて消し潰す。
「美人らしいな。」
「そ」
新しい一本を取り出して咥え、ライターを取り出す。
「だから年上美人口説くどころか落とされたとなっちゃ、俺のメンツに関わるワケよ。」
カチッカチッと空打ちを繰り返していると、無造作にライターが投げてよこされる。
「今更潰れて困る顔か?」
「不幸のドン底のヤツを救うヒーローってのもイカスし。」
火を点いた煙草を咥え、ライターを投げ返す。
「てめェはどう見たって悪人面だ。で、誰が不幸のドン底だって?」
「飼い主に捨てられた、馬鹿でぶっさいくな小動物がだよ。拾って懐かせちまったんだから、成人までは責任持たないとなホゴシャさん♪動物は祟るぜェ?」
「…つまり二年後なら、捨てようが置き去りにしようが構わないワケだな。」
「その辺は、本人と相談の上決めてくれ。」
まぁ、二年経とうが三年過ぎようが、悟空が三蔵の元を離れるなど有り得ないだろうがと思いながら口を開く。
「とにかくだ。悟空の幸せはお前にどつかれ、春炯のペットになり、俺のオモチャになり、八戒の真綿で締める様な甘やかしを受けるコトにあるんだよ。」
春炯のペットの下りはさておき、それが幸せと言うのなら死んでも悟空にはなりたくねェな…
自分で言っておきながら、そう思わずにはいられない。
「まぁ、悟空のコトは後に回すとして。ずっと気になってたことあんだけど…って、オイ?」
煙草を消した三蔵が、横になってベッドに潜り込むのを目にして眉根を上げる。
「今起きたお前と違って、俺はこれから寝るんでな。」
「あと5分くらいで済むって」
「5分だろうが10分だろうが俺の時間だ。俺の好きに使う。」
毛布を引き上げて窓の方を向くのに、極力気配を殺して数歩先のベッドへと向かう。
「大声で騒ぐぞー、歌っちゃうぞー」
床に腰を下ろし、三蔵の眠るベッドに背を預ける。
「添い寝しちゃうぞー、チューするぞー」
「――っいい加減に