第34話 華焔の残夢3
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「で、気がついたら森の出口。結界の外に放り出されていましたとさ。めでたし、めでたし。」
この半日の間に襲いかかった、疾風怒涛の出来事をそう締めくくる。
と同時に、大の大人が計5人もテーブルを囲んでいるというのに沈黙が場に満ちた。
「………誰でもいいから突っ込めよな。」
冷えきった空気に耐えきれず、言いながら正面に座る莉炯に助けを求める。
「な、莉炯。」
「えっ?はい…あの、ごめんなさい…。」
慌てふためき、最後にはしゅんとうなだれて謝罪を口にするのに身を乗り出す。
「いや、謝るんじゃなくて…こう…どこがめでたいッ!とかさ?」
「…どこがめでたいんですか?」
真顔で返され、咥えていた煙草を放す。
「……莉炯ってひょっとして天然?」
「?」
神妙な顔つきのまま瞬くのにリアクションを取れないでいると、はぁと隣の春炯が溜息を吐いた。
「お前が不真面目なだけだろ。」
「真面目じゃないお前が突っ込めば、問題なかったんだぜ?三蔵。」
「なんで俺がお前と漫才しなきゃならん。」
「間接チューまでした仲だろ?」
心底呆れ果てたといった表情に、たちまち剣呑な色が混じる。
「…鉛でいいならいつでもその極楽頭にぶち込んでやる。」
「じゃ120年後とゆーコトで。」
「遠慮するな。」
「はいはい、そこまで。」
「「………」」
「これ以上は時間と空気の浪費です。莉炯さん、今のがボケと突っ込みの基本です。まぁこの人達の場合ちょっと過激ですけどね。」
『…ちょっとかな?』
控えめな突っ込みを笑顔でいなした八戒に、「あ、はい」と莉炯が首を縦に振った。
「勉強になりました。」
「「………」」
「それは良かった。」
『………』