第34話 華焔の残夢3
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――右に、左に。
時折思い出したように不規則にうねりながらも、果てしなく続くのではと思わせる1本道。
「なーんか、一昨日も見た景色だなぁオイ。」
ジープのエンジンを切った八戒が、一足先に地面に降り立つのに続く。
仰いだ空は、晴れ晴れと青い。
がしかし
「…なァ八戒、俺達ひょっとして道に迷ってないか?」
「そんなことないですよ。」
「……」
「迷ってはないです。ただ悟空が見つからず、敵の本拠地にも辿り着けず、とまぁそれは多分結界で足止めされてるからなんですけど。」
「それって……あんま考えたくないんだけどさァ…」
「なら考えないで下さい。」
何しろ一昨日とは違い、今ここには結界のカギとやらが転がっている場所を見つけ出せる人間がいないのだ。
「あれこれ考えなくても、悟空を見つければ必然的にその側に結界を張った人物がいますよ。きっと。」
確かに結界を張った人物が消えれば、その効力も自ずと失せるのは過去の経験から承知済みだ。
割と力ずくなんだよな…とその後姿を見やりながら密かに思う。
「あと、三蔵が迎えに来るのを待つというのも一つの手ですよ。何とかんなるんじゃないですか?」
「来ると思うか?三蔵が」
「とりあえず、気が向けば来るんじゃないですか。それにどうにもならなければ春炯が引きずってきてくれるかなぁって。」
緊張感のない笑みに、苦笑する。
「…なんていうか、不思議な女性ですよね。まだ知り合ってそう日が経ってるワケでもないんですけど…たまに、もっと以前から知っていたような気持ちになる時があって。」
八戒の言いたいことは分かる。
昨夜もそうだった。
別に?
ちょっと妬けるなと思って――
虚を突かれた後にふと泳いできた、奇妙な既視感。
そうやって滅茶苦茶に振り回される事が、心地よかったような風景。
おやすみと身を翻すその背に、人知れず伸ばした手も
それすら。