第34話 華焔の残夢3
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「ただの気まぐれ…とは考えられませんか?」
「5回もか?」
一服吸った三蔵が、紫煙を吐き出す。
1度や2度なら、まだしも。
被害者はすでに5人を数え、今更に6人目を要求されているのだ。
気まぐれで処理出来る時期はとうに越えている。
「計画的なものだとしたら、理由は私怨…でしょうか。」
「実は面食いの妖怪とか?」
「莉炯さんの話だと、指定を受けるのは個人でなく“家”だそうですよ。誰が差し出されるかは分からないですから、好みの問題ってワケではないと思いますけど。」
「………」
「何かしら、共通点があるはずだ。」
確信を込めて言い放った三蔵に、八戒が頷く。
「分かりました。そういう事なら僕と悟浄で行きます。春炯はどうします?」
「昨日みたいな事がまたないとも限らん。この家に残しておく方が得策だろうな。」
「そうですね。悟浄」
「って今からか?おい」
上半身だけ起こして見上げると、当然とばかりに笑みが降ってくる。
「善は急げって言うでしょう?」
「…急がば回れとも言うけどな。」
そう返しながら、放っておいたブーツを履こうと手を伸ばす。
「やめとけ。日が昇ってからにするんだな。」
「でも…」
「悟空に何かあったと仮定するなら、猶更だ。」
確かにこの闇の中では、地の理がある方が断然有利。
ミイラ盗りがミイラになっては、目もあてられない。
「…そうですね。」
小さく息を吐いてベッドに腰掛けた八戒の横顔を仰ぎながら、後ろに倒れこむ様に再び寝転がる。
そのまま右の肘をベッドに埋めるようにして頬杖をついた。
「で?俺と八戒に何かあったら、ようやく真打のご登場ってワケか?」
「なンで俺が?お前らの為に。」