第33話 華焔の残夢2
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「私が行って、悟空さんに待機してもらえば…」
おずおずと口を開いた莉炯が控えめな挙手と共にそう言うのに、ぶんぶんと首を振る。
「ダメっ」
「でも…「ダメったらダメ!ぜってーダメっ!!」
どんな妖怪が相手か知らないが、勝つ自信は十分にある。
だが万が一の事態が起こった時に、自分の身を守れる春炯なら兎も角、莉炯を伴うなど言語道断だ。
というか、こんなコトになるなら変にカッコつけずに最初から春炯に頼めば良かったと後悔しても、今更遅い。
すでに風呂まで済ませてなんならもう、寝ようかというくらいの空気。
良い香りを漂わせたその身体に泣きつきたいのを、ぐっと堪える。
『多分先に寝てると思うケド、明日の朝は何かおいしい物作ってあげるからね。』
欠伸交じりのその言に頷くのと同じくして、三蔵が席を立つ。
「トイレ借りる。」
「あ、出て右の扉です。」
『てゆーかあんまり遅くならない内にシャワー借りちゃってよ。』
「あ、タオル出しときましたので使って下さい。」
「すみませんなんか…」
無言で廊下へと姿を消した三蔵の代わりに、八戒が頭を下げる。
『見も知らぬ男にバスルーム使われるのとか、本当大丈夫?嫌だったらイヤって言っていいのよ?気持ち悪いとか。』
「…気持ち悪いはひどくありませんか、春炯…」
『でもあるでしょう、年頃の女の子なら。お父さんと洗濯物一緒にしないでっ!とか。』
「僕らさすがにまだ誰もそんな年齢じゃないですし、というか貴女だって全部一緒くたに洗っちゃうじゃないですか…」
『だって時間も水も勿体ないじゃない。』
「いえ、分かりますよ?分かるんですケド…」
「「………」」
「まァ…諦めるんだな悟空。」
思い出したように言った悟浄が、バシンと景気良く背中を叩いて取ってつけた笑みを浮かべる。
「現実とはかくも厳しいモンなんだよ。行って男をあげてこい。」
あとがき