第33話 華焔の残夢2
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「八戒が囮やって。妖怪が来たら、俺がぶっ飛ばすから。」
見上げてくる視線に、リボンを持ったまま首を振る。
「無理ですって、悟空。僕の身長じゃあ。」
「無理…?」
抑揚のない声で呟いた悟空が、勢いよく振り返って指さす。
「じゃ三蔵っ」
「………ビジュアル的にいけなくもないんでしょうけど…」
「ざけんな。」
バサリと音を立てて新聞を畳んだ三蔵が間髪入れずに、唇を引くつかせながらこちらを眼鏡越しに見やる。
「俺とお前とどれ程身長が違うってんだ。一度死ぬか?」
「だそうです。」
黙りこくったまま俯く悟空を見下ろしていると、興味の失せたらしい春炯が席を立つ。
「…でいい…」
「?悟空?」
「もー、悟浄でいいからっ!!」
派手な音を立てて立ち上がった悟浄に、『煩い!耶昂が起きちゃうでしょっ』と注意が飛ぶが、言われた本人はそれどころではないようで。
「バカゆーな、もっと無理だろがっ」
「そうですよ。怖がって妖怪が現れなかったら、元の木阿弥でしょう悟空。」
「…その言いぐさはねェだろ、八戒」
「……悟浄。」
「なんだよ。」
「着たいんですか?」
「ンなんでそーなるっ!!」
「僕、悟浄にそういう趣味があったとしても差別しないので正直に言って下さい。」
「俺は差別するがな」
『私はちょっと考えるけどね』
と横から軽蔑を含んだ三蔵と春炯の声が付け足される。
「~お前らなァっ!話を元に戻せってんだよ!!」
「あの…」