第2話 Call and response
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そよぐ風に混じる、桜色。
裾の長い衣装を引き摺って歩きながら見回した周囲には、春の陽が降り注いでいる。
『………』
「――――。」
呼ばれたような気がして振り返ると、長い金髪を一つに結わいた長身の男性がこちらを来るところだった。
よく知るそれに似た、懐かしい眼差し。
「――――」
音のないままに微笑んだその男性が差し出す掌に何の疑いもなく乗せた指先が、優しい強さで握りこまれる。
見上げた先で私を見下ろす薄紫の瞳が、ふっと、緩む。
――――。
『…――……』
闇に向かって呟いた自分の声に、目を開ける。
すうすうと健やかな寝息に横向くと、悟空がこちらに顔を向けて眠っていた。
見上げた先に在る明りが、夢で逢った人を想い出させる。
『………』
――――。
コエが聞こえたような、気がした。
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