第33話 華焔の残夢2
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肩で息をしながら、尚も悟空を睨みつけるのに躊躇いながら口を開く。
「耶昂の御両親は、どうされたんですか…?」
「2人とも妖怪に殺されたわ…」
「…貴女の御両親は?」
「母は早くに亡くなって…父も去年病気で……だから、私がいなくなったらあの子の面倒を見る人はもういないの。酷い事だって分かってる…でも!じゃあ…他にどうすれば良かったって言うの!?教えてよ!ねえっ!!」
限界を越えた涙が、一粒溢れて頬を伝う。
「………」
「答えられないの!?だったら偉そうなコト言わないでよっ!!」
最後の方は、ほとんど悲鳴のようだった。
しんと静まり返った室内に、細く高い泣き声がくぐもって届く。
耶昂が起きたのだ。
「……あ…わた、し…」
夢から覚めたように口元に手を添えた莉炯の指先が、僅かに震えている。
「……ごめんなさい…耶昂を見てきます………」
素早く頬を伝う涙を拭った莉炯が立ち上がり、足早に扉の奥へと姿を消す。
「オイ悟空っ!」