第33話 華焔の残夢2
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「弱いっ」
最後の一人を叩き伏せ、その背に右足をかけて思わずがなる。
時間にして、多分2分くらい。
のされているほぼ全員が、一撃でダウンしてしまった為の結果なのだが、物足りない事この上ない。
そもそもこの弱さで何故、と不思議にすら思う。
「弱いくせに喧嘩売ってくるなんて、サイッテーだよな!」
「失礼ですよ、悟空。彼等は十分強いつもりだったんですから。」
『………』
「肉体労働組の仕事はこれで終わりだな。」
パンパンと埃を払った悟浄がポケットから煙草を取り出しながら、本当に何もしなかった三蔵を見やる。
「次は頭脳労働組。どーすんだよ?これから?」
「決まってンだろ。」
フンと鼻を鳴らして嫌味を流した三蔵が、不快気に眉間に皺を刻んだまま口を開く。
「そいつ等にこのガキの保護者の所に案内させるまでだ。」
「本当のな」と付け加えられた言と共に向けられた視線から、逃げるように。
『…悟空。』
だから
呼びかけがいつもよりもっと
ずっと、優しかった気がして。
知らず眉根を下げて見た顔が、ふっと綻ぶ。
『抱っこ、変わってくれない?』
いつまでもこれじゃダメだって、分かってる。
俺が、そっち側になりたい。
俺が
そっち側に
「…………ん。」
なりたいんだ。