第33話 華焔の残夢2
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一歩踏み出した悟空の肩を、ぐっと掴む。
そのまま押しやり、入れ替わるようにして前へ出て男を見上げる。
この角度で他人と相対するのは大分、新鮮だ。
「これ、ホントにアンタのガキなワケ?」
赤ん坊を顎で示して問いかけると、男の眉間の皺がより深くなった。
「そうだと言っている。」
「ふーん。…奥さん美人?」
「は?」
「若い?」
「…一体何なんだ。さっきから何を…」
「通りすがりの、結婚後の家庭円満を目的とした意識調査的な?じゃ、ラストクエスチョン行ってみよーか♪
やや呆然としている男の目に映る、自分を見ながら
――奥さん、妖怪?」
一拍置いて、その顔がたちまち嫌悪と怒りに染まる。
「ッバカな!!なんで俺が、あんな化け物みたいなヤツらと…っ」
「…バケモノ、ね。」
踵を返し、すぐ後ろに立っていた悟空の背を叩き軽く告げる。
「行くぞ。コイツは保護者じゃねーわ。」
『でもこの町の子みたいだし、それだけは分かって良かったね。』
「ですね。」
「ぜってェ見つけて、一発殴ってやんねーと気が済まない、俺っ」
「オイ!!」
怒声に足を止め、振り返る。
「その子をこちらに渡せと言ったはずだ。」
「こちらもお断りしたはずですがって、言うだけ無駄ですね。」
悠然と言ってのけた八戒に、ざあっとその場の空気が荒くなる。
こちらを取り囲むように左右に広がった男達を見て、悟空が抱いていた赤ん坊を春炯に渡す。
「力ずく…ってか?こういう時のセオリーだよな。」