第33話 華焔の残夢2
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「知らないし、関係ないと言うのだな?」
「知らないのですから、関係も何もないかと思いますが…」
「では、その子どもはどうした。」
一応八戒の言い分を信用したらしいその目が、悟空の抱く赤子に向けられる。
「拾ったんだよ。」
どう取っても好意的ではない複数の視線から隠すように、その腕に力が籠ったのが分かった。
「拾っただと?何処で…」
「…河だよ、森の向こうの。」
「河だと…?」
一様に困惑の表情を浮かべた男達が、やおらこちらに背を向けて何事か相談を始めるのを見てとり、煙草に火を点けた。
本格的に面倒ごとの気配が漂い始めたのに、内心で舌打つ。
…このガキのせいで…
ややあって結果が出たらしく、いっそ滑稽な程に揃って男達が体の向きを変え、先ほどと同じ男が口を開く。
「その子どもを渡してもらおう。」
「やだ。」
躊躇の間もなく断った悟空に、男が面喰らいながら「俺はその子の保護者だ」と宣う。
「……なんで河に流したりしたんだよ?」
「…事故だ。その子はたまたま「じゃー、さっきの“もう一度”ってどーゆー意味なんだよっ!」
男の表情に走る、明らかな動揺。
悟浄ではないが、この距離で自分達の会話が耳に届いていようとはまず、思うまい。
「…俺の子どもだ。どうしようと、他人のお前に口出しする権利はない。」
「ホゴシャなら、何してもいーのかよ!」