第2話 Call and response
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淡く滲むような光を映した黒がまるで、誰かに笑いかけるように。
一服分それを眺めやり、灰を落とす。
「誰がてめェにやるか。アレは俺の所有物だ。」
『冗談よ。』
「………」
くすくすと響く音が、夜の闇を撫でていく。
『嘘。割りと本気。』
「…あのな…」
刹那、息を呑む。
他人の眼差しに一瞬たりとも怯むなど、いつ以来だろう。
『みつけたよ。』
長い睫毛が伏せられ、白い顔に冷利な影が射す。
『…やっと』
『三蔵』と更に色を濃くする漆黒に映る自分を、見つめれば
『みつけたの――
――江流…
失った光のカタチが
その底に揺らぐのが見える。
聖典経文を。』