第32話 華焔の残夢1
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「も~なんなんだよ、あいつ等。弱っちいくせに数だけは多くて、おまけにしつけーしさぁ…散々探したんだぞここ」
「はぁあ~も~…腹減ったぁ」と悟空の声を背中に聞きながら、乳児を恐ろしく無造作に左脇に抱えた三蔵に歩み寄る。
ほとんど荷物並みの扱いだが、どこかに捨ててこられなかっただけ良いというものだ。
押し付けられるように乳児を受け取り、その勢いにやや後ずさる。
『よしよし』
「あ、そいつ預かっててくれてありがと春、けっ」
スパァンと振り下ろされたハリセンの一撃に、悟空の頭が沈む。
「いって~ぇ!何すんだよっ」
「なんもしねーのが悪いんだよ!うるせーから、このガキさっさと黙らせろ。」
「かわいそーになァ。こんな生臭ボーズと一緒で怖かっただろー。」
傍らに寄ってきた悟浄が、自ら墓穴を掘るのに呆れながら、むずかる乳児の抱き方を変える。
この子は、縦抱きがお好みなようだ。
「そういや、俺にアレを押し付けたのはお前だったな…」
すでに左手に銃を握った三蔵が、形の良い眉を更に吊り上げる。
「なンで悟空にはハリセンで、俺にはソレなワケ?」
「気にするな。」
「フツー気にするぜ?」
「なー、それよか早く出発しよー。俺腹減ったぁ…」
その言葉に、今の今まで忘れていた現状を思い出す。
「三蔵、気づいてますか?この森…」