第32話 華焔の残夢1
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不可解な事に、どこか似たような表情でこちらを見る八戒と春炯に開いた口が塞がらない。
赤ん坊の髪が、赤茶と言うより橙を帯びた濃い紅と言った方が合う、珍しい色合いではあったのだが。
「…だからってな…」
「悟浄、友人としてこういう事を言うのは心苦しいのですが…」
声を落とした八戒を、春炯が不思議そうに見やる。
その邪気のない瞳と視線を中途半端に交らわせながら、短くなってきた煙草を銜えなおす。
「可能性がないって言いきれますか?本当に?絶対に?あの子は多分、1歳になるかならないかです。ここ2年前後お付き合いした女性で心当たりは?」
「………八戒、お前俺の事なんだと思ってんだ?」
「そんな事…僕の口からはちょっと言えません。」
さーっと音がするような空気を纏わせて、春炯の目が逸れていった。
その事に唖然としながらも、ここで黙っていては確定事項にされてしまうので懸命に言葉を探す。
「でもあれだ…そう、これは遺伝じゃないだろ。」
見飽きた赤毛をひと房掴んで、苦し紛れに放った言葉はでも意外と、説得力があるような…
いや、ある。
「んな事言ってたら、禁忌の子どもは100歳のばーさんでも1歳のガキでも皆んな俺の親族になるじゃねぇか。そうだろ?」
「100歳でも、禁忌の子どもですか。なんかすごいですね。」
「…俺が問題にしてるのは、そこじゃないんだけど?」
「そうなんですか?」
「そーなんだよっ!」