第32話 華焔の残夢1
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こちらを振り返った二人の方へと歩を進めながら、外套についた葉を払う。
「お疲れ様です。」
微笑して迎えてくれた八戒の隣で煙草を吹かしている悟浄に説明すべく、適当な小枝を拾い上げる。
『森の中にA地点とB地点っていうふたつの場所があるとして、こう、B地点まで進むとまたA地点に戻っちゃうようにするの。つまり、この部分の空間を繋げちゃうのね。』
「んなこと可能なのか?」
『可能よ。ある程度知識があれば、かける事自体はそう難しい術ではないわ。』
「かける事はってことは、解くのはまた別…という事ですか?」
枝を地面に戻して立ち上がり、首を巡らす。
『まずは捻じ曲げられた場所、つまりふたつのポイントが繋がってる場所を探し出さないとなんだけど…少なくともここではないわね。』
「お前、そういう事も出来るわけ?」
『一応ね。巫女ですから。』
「ふーん」と気のない返事をした悟浄が、座ったままの姿勢で組んだ手を頭上に伸ばし、ぐっと背筋を伸ばした。
「っあーあ…。どーせ体力つかうなら、イケてるお姉様相手のがどれだけ良かったか…」
「仮に町に無事着いたとして、お子様連れでナンパできるものならどうぞ。お父さん。」
「ちょっと待て。誰が誰の父親だって?」
瞬時に八戒の言わんとした事を理解したらしい悟浄が、口から煙草を離す。
「大体、拾ったのは悟空だろうがっ!」
『でも、私達の中で誰に似てるかって言ったら、貴方じゃない。』
「どこが似てんだよっ」
「どこってあの子の髪ですよ。明るい赤茶だったじゃないですか。」