第32話 華焔の残夢1
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「悟空、体も拭かないと。」
水滴の滴る髪を拭くのもそこそこに、立ち上がった悟空に声をかける。
「俺よりそいつ、大丈夫?泣かなくねえさっきから…」
『大丈夫よ、寝てるだけだから。ホラ』
腕の中の小さな額を撫でた春炯が、悟空に見やすいように抱き方を変えた。
「寝てる…?」
「赤ちゃんは、寝る事と泣く事が仕事だそうですから。きっと泣き疲れたんでしょう。」
「そっか、良かったぁ…」
『あ、欠伸した。可愛い…』
「俺にもかしてかして。」
「どこが可愛んだよ、猿みたいな顔してんじゃん。実はお前の子だろ、悟空。」
ジープから降りてもこない三蔵と悟浄を、見やる。
「可愛いじゃないですか。」
「それで可愛いってんなら、俺だって可愛いに分類されるだろーよ。」
「悟浄も充分可愛いですよ。僕が保証しますから。」
「んなもんすんなって…それはともかく、どーすんだよそれ?」
「俺が面倒みる!」
恐る恐るといった風に赤子を受け取った悟空が、その頬をつつきながら断言する。
「バカ猿。ガキがガキの世話してどーなる?できるわけねぇだろ。」
「できる!やるったらやる!!」
困ったように眉根を下げて言葉を探している様子の春炯に代わり、口を開いた。
「悟空。気持ちは立派だと思いますが、無理です。」
「…なんで?」