第2話 Call and response
夢小説設定
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肌を掠めるように吹いていく風はでも、冷たくはない。
暗がりの中でも光を纏う金糸をかからせた横顔から目を正面に戻し、後ろ手をつく。
『そんなに怒らないでよ。』
「…何の話だ。」
『そりゃ何も言わずに出ていったのは悪かったと思ってるわ。でも仕方ないじゃない、一も二もなく早く行けって言われたんだもの。』
「だから何の話だ。」
垂れ目がちの紫暗と目を合わせ、口を開く。
『心の声とやらが聞こえたから。なんで俺に何も言わずにいつの間にそんな遠くまで行って帰ってきてあまつさえ普通に合流してんだこの野郎。って。』
「……別に貴様がどこへ行こうが俺の知ったこっちゃない。」
『はいはい』と前を併せて膝を引き寄せると刺すような視線を横から感じたが、いちいち反応していたら話が進まない。
夜に吸い込まれていく白を、見上げる。
『……貴方より先にみつけて、貰っちゃおうと思ったのになぁ…』
先に在る月に目を、細める。
それが同じカタチをしている事に気づいたのは
おいで
つい、最近の話だ。
――春炯