第2話 Call and response
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「………」
ゆるりと漂った紫煙が、夜闇に散っていくのを見つめる。
…誰……?
雲ひとつない青を飛んでいく橙を遠く送り出したその瞳が、こちらを向いて呟く。
豪奢な巫女装束の足元はその半ばまで捲り上げられ、華奢な太股までが露になっていた。
てめェこそ誰だという喉元まで出かかった問いを呑み込み、慌てて目を逸らしたのを今でも覚えている。
遡れる記憶はそこまでだから、やはりあの夢は間違っているのだろう。
過ごした時間、聞いた言葉、その時の風の向きさえ。
あの人と関わる事は全て、鮮明に思い出す事が出来る。
だがその記憶の中に
「バカ猿はどうした。」
『寝ちゃったわ。』
降る月明りと同じようなささやかさでもって笑って隣に腰を下ろすコイツは、いない。
いなかった、筈だ。
『元気だった、三蔵。』
確信が曖昧になる程に自然な距離で向けられる微笑を、見返す。
「……見ての通りだ。」
『…分かり難い。』
小さな笑い声を聞きながら、溜まった灰を足元に落とす。
「…うるせえ。」