第31話 Opposite
夢小説設定
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「あ゛ーッ」
さして広くもない町宿の食堂に、朝からフルパワーの大声が響き渡る。
「今日はルート的にどうしても野宿になってしまいそうなんですけど、大丈夫ですか?」
「てめェ、今勝手に餃子食っただろ!!」
『うん。平気だよ。』
そう言って粥を口に運ぶ春炯は、確かに目に見えて回復しているようだ。
「食ってねーよ!目まで馬鹿ンなったか、可哀そーなバカ猿っ」
それでも昨日までの様子を思い出すと、多少不安にはなるが。
「ンだとクソ河童ぁー!!」
「大体何が[勝手に]だよ。机の上にあるモン全部おめぇだけの物じゃねぇんだぞ。」
「ただの餃子じゃねぇよ、最後の一個だったんだ!!ちゃんと俺の小皿に取っといたんだぞ!?」
「そんなん口に入れたヤツの勝ちだろーが。悔しかったら名前書いとけ、名前。」
繰り広げられる底辺の小競り合いに、向かいに座す三蔵のこめかみに段々と力が籠っていく。
「やっぱりてめーが食ったんじゃねぇかよ!!表出ろ!!」
「あぁ!?やるってか?泣かすぞ?いわすぞコラ!!」
ガゥン
亀裂の入った店の壁に、客の視線が向く。
ガゥン
ガゥン
「るせえっつってんだろーが、そんなに死にてぇか!!」
ガゥン
「きゃーっ!!」
「遊んでねぇでさっさと食え、時間の無駄だ!!」
「だって悟浄がッ」
「この猿がッ」
「殺すぞ」
『すいませーん、お茶下さーい。』