第31話 Opposite
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
へらっ、と少し照れたように笑うのを見ながら、煙草を取り出す。
砂漠のど真ん中の村を出てからこっち、この街に到着するまでの道中のほとんどを、春炯は眠って過ごしていた。
日中起きている僅かな間さえ、微睡の中にいるような有様。
しつこい程に具合を尋ねる八戒に、『ただ眠たいだけだから』と力なく笑ってまた眠りに落ちていくのを何度抱き留めた事か知れない。
「ホントにへーき?」
『本当にへーき。久しぶりにベッドでぐっすり寝たら、なんだか馴染んだわ。』
「…馴染んだって何が?」
『ん~…空気に?』
「は?」
「おはようございます。」
朝用の笑顔を浮かべた八戒の後ろには、あからさまに気怠げな顔をした三蔵。
袂を探りながら、「で、どうなんだ」と短く問うのに、八戒と目を見合わせる。
『ありがとう、もう平気。』
ふん、と煙草に火をつけてさっさと歩きだすのを、会話の不審さを気にする風もない悟空が追い、春炯が続く。
「腹減ったァ~」
再び視線を合わせた八戒が、困ったように肩をすくめた。