第30話 Always
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「…春炯…悟空……!!」
折り重なるようにして倒れている2人に、呼び掛ける。
「――紅おいっ…紅――!!クソッ!!」
ぴくりとも動かない主を抱え上げた独角兕が、立ち上がる。
「…おい、不本意だが一旦退かせてもらうぜ!!」
「……」
「お互い体勢立て直そうや。…あんたに言っても仕方ねえが、こんなの闘いじゃねぇ共倒れだ。確かにコイツが決意してこっちがふっかけた事だし、負けは負けだ。」
一息に言って踵を返したその背が、大きく息を吸い込む。
「――だが俺は、お前らを許せねえ。」
「…ええ、そうでしょうね…」
それだけ言って立ち上がり、ひとつ息を吐く。
重い体を叱咤してとりあえず三蔵の腕をとって肩を貸す形で、歩き出す。
「――はあ はあ は…」
悟空と悟浄をジープに座らせて春炯の傍に膝を着いた頃にはもう、気力がほとんど底をつきかけていた。
「………」
白い顔の口の端に滲んだ血に、視線が留まる。
それを軽く拭って抱え上げようとした時、視界の隅に赤い髪紐が映ってそれを手に取る。
ポケットに仕舞い込みながら目を閉じて、空を仰ぐ。
「――は……」