第29話 Pride
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崩れ落ちた長身を足蹴にしようとしたその小柄な体が背中からの衝撃に浮き上がるのを、見ながら。
「…もう充分でしょう、悟空。」
こちらを見る大きな瞳は確かに、よく知る彼だ。
「三蔵が刺されてからもう30分は経っている。そろそろ限界です。これ以上暴れ続けたら、傷付くのは貴方なんです…!!」
ふ、と笑った顔だって
なのに。
――もう
言葉すら届かない――
戦慄と同時に奔った感覚に任せて、体を沈ませる。
「悟空…!!」
「!?」
身長差を利用して引き摺り倒し、声を張り上げる。
「悟浄!!悟空の金鈷を――早く!!」
「クソッ…!」
「――え?!!がはッ!!」
唇を割った血がその上に、落ちるより先に浮いた体が何か硬いものに背中から激突する。
「悟浄…!!」
「げは…ッはあッふ…ざけろよ……」
激しく咳き込んだ悟浄が腹部を押さえて歯を、食いしばる。
「止められるわきゃねーだろ……」