第29話 Pride
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ほとんど予備動作もなく振り上げられた紅孩児の左膝をまともに喰らった悟空の体が、後ろに吹き飛ぶ。
「が…ッ」
『悟空!』
「――ふん。貴様に闘う意志がないなら、経文は頂いていくまでだ。」
「――ッ三蔵に触んじゃねえ!!」
一挙動で懐に飛び込んだ悟空が、そのまま空を踏むように宙に逃げるのに赤い髪が翻る。
「チッ…!!」
風鳴りと共に叩きつけられた拳に、 今度は紅孩児の体が大きく仰け反る。
その間、ほんの数秒。
「――三蔵…」
「悟空。」
「三蔵は僕に任せて…闘いなさい。」
『八戒!?』
思考を引き戻して呼んだ名前には、多分に非難の調があったと思う。
「紅孩児は本気です。――恐らく彼は、何かとても…大事な物を背負って闘っている。」
『ちょっと待って!だからっ…て』
目を引いた金糸に、その先が、続かない。
「今の貴方になら判りますよね。」
「………」
「大事な物を失いたくないという想いが。」