第28話 selfish
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ややあってピッ、と指を立てた八戒がこちらを見る。
「ここって地下じゃないですか。」
「………。」
「まぁな。」
『そうね。』
「僕達さっき牢獄からどうやって抜け出しましたっけ?」
「壁突き破って。」
「『………。』」
「もし地下の中枢部にあたる壁が壊されたらどうなります?」
「どうって…」
「上の砂漠の重みに負け……」
『………』
何か正面の扉が質量を増したような気がしてそちらに顔を向けた瞬間。
「うわ」
「早く言えそーゆーことわ!!」
「だからさっき止めたじゃないですかぁ!?」
流れ込んでくる砂から距離をとった春炯が、徐に周囲を見回すのを視界に入れながら、口を開く。
「出口どころかこの部屋からも出られなくなったぜ!?」
「どっかに通気孔か何かねぇのかよ!!」
「!?何やってんだ春炯!!」
『経文よ…!』
『魔天経文だけでも取り戻しておかないと』と手当たり次第に棚を漁るのを見て舌打ち、足を踏み出す。
「…悟浄?」