第28話 selfish
夢小説設定
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「…ったく、また暴れ出すかと思ったぜ。」
言って肩を落とした悟浄に小さく笑い、口を開く。
「……それはもうないでしょう…。」
――強くなる。
あの時の想いはきっと、これからも続いていくのだろうと思う。
彼の中で、ずっと。
悟空に微笑みかけた春炯が睫毛を伏せて、三蔵の頬に指の背を触れさせる。
常になく厳しい横顔がそこに注がれていたのはでも、一時。
『とりあえずは地上に出るのが先決ね。』
すっと立ち上がって顎を上げた漆黒が、天井を仰ぎ見る。
この女性もなかなかどうして、豪気なヒトだ。
「ええ。昨日寄った村に戻れば血清くらいはあるかも。砂漠の村ですし…」
「だけど出口どこだよ?どっから入ったのかもわかんねーのに…」
「あ?」
足元と言うよりも、周囲を揺るがす低音に眉根を顰めるより早く部屋全体が瞬間縦に振れる。
「「「『!!?』」」」
「な…何だぁ!?」
「どっかが崩れたような音がしたぜ?」
「――まさか…!」