第28話 selfish
夢小説設定
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溢れてくる血の下の肌が、まるで染まるように色を変えていく。
「…俺の爪はサソリの毒針になってるんだよ。」
ほとんど全身を自身のアカで濡らした妖怪が哂うのに、舌打ちしたいような気分で眉を顰める。
『毒…ですって?』
「三蔵!!」
「もちろん致死量のな。」
「さんっ「――てめェ…!!ナメた真似してんじゃねーぞカマ野郎!!今すぐ毒を消しやがれ!!」
妖怪を無理矢理に引き起こした悟浄が、次を言いかけて、止まった。
「死んでやがる…」
「出血多量でしょう。所詮”不老不死説”もでまかせに過ぎなかったってことなんでしょうね。」
三蔵を膝に抱いたまま顔を落としていた悟空の肩に触れると、思いの他強い視線と正面からぶつかって
「春炯。」
自然と唇が、小さな笑みを形作る。
「――どうすればいい?どうすれば三蔵を助けられる?」
強く。
『大丈夫。』
大切なものを守れるだけ、毅く。
『このヒトが、そう簡単に死ぬわけないわ。』
私も。