第27話 a fatal dose
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
三蔵をとりまいていた刺々しい空気が一瞬で、薄れて消えていくのが目に見えるようだった。
やはり悟空にはかなわないなと知らず息を吐くと、隣に立つ春炯も同じ様に気を緩めるのが分かった。
「――おい、ひとつ聞きたいことがある。」
膝を折った三蔵を、荒い喘鳴を漏らしている女性が見上げる。
これがこの城の主で、村の人々の言っていた”砂漠の妖怪”なのだろう。
「俺がつけていた経文と、それから貴様が喰った三蔵が所持していた経文。――どこにやった?」
「経文…だと?前の三蔵の経文はこの城のどこかに捨て置いてある筈だ。――お前のならその後ろの棚に――」
視線を追って振り返った三蔵が、方向を変えて示された棚へと足を踏み出す。
「――危ねえ三蔵!!」
悟浄の警告に被せるように伸びた爪が
「三蔵…!!」
皮膚の爆ぜる音と直結するのに目を、見開く。
「が………ッ」
『三蔵!!』
倒れ込むのをかろうじて支えた悟空にもたれかかった三蔵を、慌てて診る。
「傷塞げ、八戒!!」
「わかってます…――!?」
『!?これは…』