第26話 Sandstorm
夢小説設定
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「………」
――返しなさい
眼差しだけをふと、思い出した。
四肢を拘束されて尚頭を高く上げてこちらを睨みつける、黒曜。
返しなさい
それは、貴女達の手には過ぎた力です。
人間が宿すには過ぎた、輝き。
「真実…か。」
そういえばあの娘も今、あそこにいるのか。
「真実なんて何処にもない。」
ギシと布を鳴らした力が伝って、再び、返ってくる。
「この手に触れる物だけが全てだ。」
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「なー」
風鳴りの音に混じって届いた悟空の声に、振り返る。
「本っっ当にここ?何もないじゃん。」
「あの男の子が北北東に5km言っていたから、この辺りの筈ですよ。」
『三蔵を食べたっていう妖怪の居城は、砂の中なんですって。』
「ええ?じゃあどっから入りゃいいんだよ!?」
ご尤もな問いに、答えを示すべき人間は生憎と、私ではない。