第26話 Sandstorm
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「貴様一体何者だ?何を目的としている…?」
「だからフツーの化学者だってば。」
肩を竦めて笑うのを、睨みつける。
「ボクはただ、目に見える真実が欲しいだけだよ。ああ…それから」
踵を返したその肩越しに流れてきた視線が、秘密めいた笑みを含む。
「大事な物は手離しちゃダメだよ、王子様。」
後ろ手を振って去っていくのを独角と2人、呆然と見送っていると能天気な声が頭を打った。
「おっっ兄ちゃーん!!」
顔中で不満を表した李厘の後ろから、八百鼡が走るようにして歩いてくる。
「またオイラ置いてどっかに行こうとしたなぁ!!?」
「すみません紅孩児様、つい口が滑って……」
「お前を城から出すなと玉面公主から命じられてるんだ。大人しく待ってろよ。」
「えーっっっ」
「お土産にうまいモン買ってくるから、な?」
「うん♥」
大事な物は手離しちゃダメだよ
…言われるまでもない。
「お兄ちゃん?」
合わせた手を握って、開いて、もう一度。
「李厘は頼んだぞ、八百鼡。」
「はい、紅孩児様。」
俺は、その為に生きるのだから。