第26話 Sandstorm
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「いやぁ助かりましたー。」
ものの数分程で到着した村は、砂漠の真っ只中に鎮座していた。
「よく旅の人がここの砂漠に迷い込むんだよ。この子に会ってラッキーだったねェ。」
「失礼ですが、何故このような場所に村が…?」
宿の店主に尋ねる八戒の後に続いて歩きながら、四方を土壁で囲われたそのさまに多少なりとも興味を覚えてなんとはなしに、視線を向ける。
「ああ…少し前まではここも立派な町だったんだがね。1年前から急激に砂漠化が進んで飲み込まれちまったんだ。」
『1年前…?』
「ここに残ってるのは移住しそびれた連中さ。」
「成程な…」
目を伏せた春炯も、同じ考えに至ったのだろう。
つまりは、桃源郷の異変がこんな形でも現れているという事だ。
「あッ……!!」
響いた声に、羽織を脱ぐ手を止める。
「何だぁ?」
「その服装……まさか」
血相を変えた店主の恐怖にも似た感情に満ちた目は、自分に向けられていた。
「まさかあんた”三蔵法師”か…!?」
「どういうことだ?」
「――悪いけどウチには泊められねえッ!他所をあたってくれ…!!」