第24話 "BE THERE">4<
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『にょにんの身の私が、此処にいる事が本来であれば有り得ない事ですから。』
「…女人て」と眉根を顰めた三蔵様が、表情を厳しくした。
「…まだ5つの女の子に、相応しい話の仕方ではないですね。」
『拾って今日まで置いて頂いて、感謝しています。』
「…そんなかぐや姫みたいな台詞…」
『……すみません。でも、本当の事です。』
くちをへの字にした三蔵様があからさまに肩を落とし、次いでほとんど臥せってしまう。
「……本当はもう少し長く、私と江流と一緒にいて欲しかったのですが…」
江流の名を耳にした途端、微かに胸が詰まったような感じがした。
「とはいえ大事な貴女をそこらに放り出すワケにもいきません。然るべき場所を私がこれから選ぶつもりです。だからそれが決まるまでは、変わらず……」
顔を上げて言葉を切った三蔵様が目を瞬き、ややあって眉根を下げたままで笑った。
久し振りに抱き締められたそこは、香と微かな煙の匂いがした。
「春炯。」
呼ばれるその名は確かに、私のもの。
伝わる温もりの違いはやっぱりまだ、分からないけれど。
応えるべきは私の中に
悲しい、くらいに。
『三蔵様…』
久し振りに上げた泣き声はどうか聞こえていない事を、どこかで。