第24話 "BE THERE">4<
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細くしなった月から注ぐ光が、日ごとに冷たさを増していく。
『夢の中では私、とっても裾の長い服を着ているんです。逢う人も今まで見た事ない服を着ていて…』
季節はもう、冬の兆しを見せ始めていた。
「以前にも話してくれた事がありましたね。」
ずいぶん長い間黙っていた三蔵様が、煙管をく揺らす。
星の多い夜空へと昇る紫煙が、鳥の形になって消えていくのを見ながら羽織を合わせる。
「この間、それについての講義を受けました。神仏に仕える女子が持つ特異な才だと。」
『どういう意味?これってすごいの?』
「さぁ。お前の見る夢が先の事を予見してるかどうかなんて誰にも分からない。さっきも言ったが、ただの夢だって事もあるだろ。」
つまり江流は、その”ユメミ”という力事態を信じていないらしい。
でも確かに仮に未来を見たとして、それが先の事なのかどうなのかなんて誰にも分からない。
「…三蔵様?」
訝しげな声に顔を向けると、江流の頭越しに三蔵様と目が合った。
「ああ、すみません。ちょっとぼーっとしちゃいました。」
眉根を下げるのに微笑むと、夜を含んだ淡紫の瞳が微かに見張られる。
失うという事が意味するところはたくさん、あるのだと
もう
分かり始めていた。