第2話 Call and response
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「ええと…」
草木もまばらな荒野の向こうに沈み行く陽を見ながら、口を開く。
「じゃあ春炯さんは、一度天竺まで行ってまたこちらに戻っていらしたんですね?」
『はい。天竺というか、吠登城まで。三仏神様からは情報収集を兼ねた偵察任務を仰せつかって…行って帰ってくるのに三年掛かってしまいました。』
「三年ン!?」
「吠登城って?紅孩児ん家?」
両側から容赦なく反応を浴びせられた女性の名は、紅春炯。
柔和な面差しが少しだけ困ったような笑みを浮かべて、風に煽られる髪を押さえる。
『はい。…途中少しズルもさせてもらったのですが、やっぱり遠いですね。戻ってきた時には皆さんすでに出立していらしてたので慌てて追いかけてきました。そしたら途中で追い抜いてしまったみたいで…あの町でちょっと待たせてもらっていたんです。』
丁寧に悟浄に返したその目が、ついで悟空を向く。
『牛魔王と羅刹如の子息ね。私は一度も顔を合わせなかったわ。悟空もう会ったの?』
「うん。無茶苦茶強くてさ!アイツ!また会いてえなと思ってはいる!」
楽しそうに告げる悟空を見る眼差しを知らず見つめていると、ミラー越しに目が合う。
長い睫毛に縁取られた瞳が笑むのに気をとられそうになってしまい、一瞬だけハンドル捌きが乱れる。
隣の三蔵がちらりと反応を寄越すが、またすぐに逸れていった。
「今まで倒してきた妖怪は皆、その王子様の名の元に送り込まれてきていた…しかしソイツ1人でこの騒ぎを起こしてるワケじゃあねえだろう。」
『相変わらずのせっかちさんね。』
ゴホッと咽かえる音が車中に響くのを聞きながら、咄嗟に急ブレーキを踏み込む。
「~ッ八戒!いくら笑えるからって急に止まンな「見つけたぞ三蔵一行ォ!」